今は、個性が重用されるのが当たり前のような時代であろうかと思います。
一方で、個性があまりに個人主義化したため、他人が見えにくくなり、
自分中心世界観を避けがたく、そこから逃れる方法も見えにくくなりました。
他人と繋がることがここまで貴重となったのは、
他人と繋がることが実は相当難しいことだった、という事実を、
多くの人が自分の個性を理解するにつれ知ったことにもよるでしょう。
個性や自分の気持ちや感情を重視すると、悩みが多くなるものです。
その生き方しか知らない若い人は、人権や社会や政治をどのように捉えたら良いのでしょうか。
本論考では、自分をよく知り弁えることと、人の権利や事情をよく知って社会に接続する
その界面の見つけ方、構成方法、適切な距離や力学、上手な付き合い方について考察します。
わたしは、合唱団、主夫歴、教会礼拝での苦悩と挫折、そしてもちろん、
学生時代の転学遍歴、自己探究、関係構築における様々な工夫の試行、を経験しました。
それは人並み程度かもしれませんが、論を立てて明瞭な言葉で組めるくらいには
輪郭の見える枠組みとして明確に考えてきたつもりです。
本論により、自分中心に世界を把握する狭さから脱し、
世界をよく知って自由に広げる喜びを体験していただきたいと思います。
社会も世界も、あなたが思っているより、意外にもっと広く、豊かで、自由が効くのですから。
目次(予定)
・合わせる とは何か?
・自分から譲ることで集団がまとまる場合 – 消極的創発 –
・お金を流すとお金が巡って豊かになる
・自分を深く知って、ひとに合わせるための考え方
・調和の論理学 – 和を以て貴しと為す
ほか